毎日の図書館学

初めて図書館学に触れる学部1年生を想定して図書館に関係ありそうな本を毎日1冊ずつ300字程度で紹介します。

なぜならそれは言葉にできるから

「人間関係の一形式としての他者との会話なしには、我々は自分自身にも世界にも確信を持つことができない。我々は、自身の経験をひとつの物語にあてはめることを必要としている。人生がどれほど曲がりくねった道を進もうと、我々はその流れをなんとか形にして語ろうと試みるものだ。/語ることで、我々はなにより、意図した道のりや意外な道のりを追体験する。そして、経験したことを初めて言葉にし、偶然に意味を与え、災難にも意義を見出し、そうすることで自分という人間に一定の輪郭を与える」。自分の身に起こったことを語る。言葉にできない他者の声を聞く。自分が聞いたことを誰かに伝えていく。言葉にできるはずのもの。

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