毎日の図書館学

初めて図書館学に触れる学部1年生を想定して図書館に関係ありそうな本を毎日1冊ずつ300字程度で紹介します。

満鉄全史

夏目漱石が「満韓ところどころ」という紀行文のなかで「南満鉄道会社っていったい何をするんだい」と書いている。南満州鉄道株式会社は国策会社として鉄道以外のさまざまな事業にも関わっている。大連港の拡充・倉庫業・電気ガス事業・ホテル事業・調査研究所・満州日日新聞社の株式会社化・日本語学校の設置・幼児保育施設・工業学校と医学校の設置など。そして沿線の主要都市に図書閲覧所を設ける。巻末収録の組織図の変遷を見ると大連図書館・奉天図書館・満州資源館などの名称が出てくる。図書館が建てばそこで働く図書館員も必要になる。図書館の利用者もいる。誰が満州の図書館で働き、誰が利用していたのだろうか。

calil.jp

http://osumi-syooku.com/wp-content/uploads/data/202.pdf