毎日の図書館学

初めて図書館学に触れる学部1年生を想定して図書館に関係ありそうな本を毎日1冊ずつ300字程度で紹介します。

2020-06-01から1ヶ月間の記事一覧

ぼくの絵本じゃあにぃ

絵本はいい。子どもの頃に読む絵本もいいし、大人になってから改めて読み返す絵本もいい。感じ方が変わっていることがまた楽しい。自分の子どもに読んで聞かせる絵本も楽しい。自分とは違う反応とともに絵本を読むことができる。絵本の楽しみ方はほんとうに…

痕跡本の世界

古本はおもしろい。新刊書店では出会えないような本に遭遇することができる。そして前の持ち主がその本に残していった痕跡からいろんな妄想をすることができる。本は人の手から人の手へと渡っていく。本のつくり手から読み手へ、そしてさらに次の読み手へ。…

誤植読本

本をつくる。著者がいて編集者がいる。そして校正者がいる。原稿と校正刷りを照らし合わせる。本をつくるときに何度も校正刷りに目を通す。何度も何度も確認する。確認して確認してようやく印刷される本。完成した本。完成してからそれでもなぜか見つかる誤…

ゆっくり、いそげ

何かを人に贈る。誰もが贈り主になれる。その一方で別の場面では私は贈られる側の人になっている。何かを贈ることから人間関係を始めてみる。贈ることの連鎖が生まれてくる。誰かが誰かを支援する。誰かが誰かのために働く。それも贈り物の一種のようだ。贈…

本屋になりたい

物事は誰かが思いついて始めるものだ。それが長く続いていくような仕事になるのかはわからない。それでも自分のやりたいように始めてみる。自分の意志で動き出してみる。本に関わる仕事もそれは同じことだ。本屋になってみたい。本屋ってどういう仕事をして…

図書館ノート

本にはいろんなことが書かれている。楽しいことも悲しいことも。自分の好きなことも嫌いなことも。だから本を取り巻く世界にはいろんなできごとが起こっている。自分にとって都合の良いことも悪いこともある。いろんな事情があっていろんな話がある。権利の…

児童文学論

子どもの本を読むのは楽しい。空想の話だったり冒険の話だったり科学の話だったり。不思議な話。びっくりする話。いろんな児童書や絵本がつくられている。児童文学の理論も検討されていて、その研究の歴史も積み重ねられている。絵本づくりの歴史ってどうな…

読書からはじまる

本を読むことで書かれている内容を知る。けれども本をたくさん読んでみると、本に書かれてないものに対しての想像力が生まれてくる。今あなたが手に触っているその本はたまたま自分の目の前にあったから偶然触れることができた本なのだ。あなたは自分のため…

読書について

読書についての考えるときの古典的な作品です。読書ってなんだろう。本を読むってどういうことなんだろう。読書は他人にものを考えてもらうことなんだとかこの本には書かれている。自分の力だけで物事を考えるのはとても難しいことで、何かの本を読んで参考…

一四一七年、その一冊がすべてを変えた

古典というものが現代でも気軽に読める。そのことが当たり前のように思えるかもしれない。でもそれはその文献の存在に誰かが気づいたということである。それを見出した人や評価した人がいたのだ。それが読めるようになるためにどこかのタイミングでその写本…

日本史を学ぶための図書館活用術

図書館は調べるための場所でもある。図書館にはいろんな辞典やデータベースが揃っている。いろいろありすぎてどれをつかえばいいのか途方に暮れるてしまう。本を探す資料を探すという行動は、それらを探すための道具を見つけるところから始まっている。辞典…

校正のこころ

本をつくる。著者がいて編集者もいる。本をつくる人たちがいる。そこには校正者もいる。けれども本を読む人が校正者の存在を意識することはほぼない。校正者は表立って読者の前には現れない。そしてその仕事の痕跡が公になることもほぼない。原稿の誤字脱字…

荒野の古本屋

人が古本屋という仕事を選ぶ。古本屋さんはどうして古本屋になったんだろう。本に囲まれたり本を読むことが好きだからと単純に考えられるわけではなさそうだ。本を読んだり歩いたり。まちのことを知ったり。古本を生業に。生活の糧として古本を扱うお仕事に…

不可能を可能に

それまでできないと思われていたことを形にしていく。困難と思われていたことを実現していく。目が見えない身体を抱えている人たちが感じとっているこの世界の形が少しでも暮らしやすくなるにはどうすればいいのだろうか。デジタル技術を活用した視覚障害者…

幼い子の文学

児童サービスでは「子どもの本について知ること」「子どもについて知ること」「子どもと本を結びつける方法について知ること」が重要になると言われる。たくさんの子どもたちが訪れる図書館では欠かすことができないだいじなサービスのひとつ。子どもたちが…

街を変える小さな店

私たちが本を読む。その読書の時間を過ごすとき、手のなかの一冊と自分との関係ができる。その本と出会えてよかった。その本が自分の手元に届く前は、どこにその本が置かれていたのだろう。どうしてその本が魅力的に見えたんだろう。本棚のなかでその一冊が…

手紙社のイベントのつくり方

イベントに参加するのはとても楽しい。新しい気づきや新しい出会いがある。イベントをつくり上げていくこともまた楽しい。みんなで物事を生み出すプロセスは楽しい。みんなのための空間をつくるのはおもしろい。とはいえ話題性があってみんなが満足できるよ…

一箱古本市の歩きかた

本は読むためものだ。読むために本を買う。本は集めるものだ。そして本はどんどんと溜まっていく。自分の本棚の空きスペースを少しずつ侵食していく本たち。空間は埋まっていく。楽しい気分だ。そしてついに本は溢れ出す。本を手放さなければならない日がや…

秘密基地の作り方

居場所とかコミュニティといった言葉が図書館業界でも注目されている。誰かとつながる機会だったり対話をするための空間も図書館の機能のひとつだから、そういう空間づくりをしていきましょうといった意見も繰り返し言われている。本を集めたり本を読むだけ…

読書と日本人

読書という行為のイメージがいつの間にかでき上がってしまっている。当たり前のこととして考えている。本を読むことや本を読む姿は想像しやすい。けれどもそのイメージはいつ頃にどうやって形づくられてきたんでしょう。本にまつわる歴史上のできごと。私た…

近代読者の成立

今私たちは当たり前のように本を読んでいる。本を手にとってすらすらと文字を目で追っていく。気軽に本を読めるのが当たり前だと思っている。そういう体験をしている。でも今の私たちがちょっと昔の本を読もうとするととても読みづらく感じる。本のつくられ…

本は、これから

本っていったいなんなんだろう。人によって本の見方や扱い方が変わる。本との関わり方とか思いとかがみんな一人ひとり違っている。立場によっていろんな捉え方がある。本というのは簡単に語ることができないようだ。それならば可能な限りいろんな人のいろん…

アイデア大全

図書館は常に何らかの課題を抱えている。図書館の資料の集め方とか保存のこととか利用者への接し方とかお金のこととか経営のこととか組織づくりのこととか。利用者に対してはできる限りより良いサービスを届けたいと考えている。そういう問題を図書館の歴史…

フォト・リテラシー

写真に記録されたものはそのときその場所に確かに存在していたのだろう。確かにそこにいた。そこにあった。写真には事実が写っていると思えてしまうような力がある。でも写真に収められたその枠の外には何が写っているんだろう。写っていないもの。写せなか…

子どもと本

子どもの頃に読んでいた本をたまに思い出す。くり返し読んでいた思い出の一冊。そういった思い出のなかの本との出会いのきっかけは何だったんだろうと振り返ってみたりもする。大人になってから子どもの本を読み返すこともある。そのお話しの形式とか魅力と…

情報デザイン入門

自分の思いを誰かに伝えたいと思うことがある。情報発信とか情報提供という言い方で誰かに対して自分の持っている情報をうまく伝えようとすることがある。でも発信とか提供ということばのつかい方は自分主体になっているからどうも一方的な感じがしてしまう…

未来の図書館、はじめます

あなたはいつもの暮らしのなかで図書館とどのように関わっていますか。あなたのまちの図書館はいつ誰がつくりましたか。誰かの手でいつの間にかつくられていたものですか。あなたの思いはその図書館のかたちになっていますか。あなたの声は届いていますか。…

これからの本屋

本屋という仕組みを単純化すれば取次から本を仕入れてお店の本棚に並べてお客さんに販売するという商売と言える。でも世の中には本屋のかたちもいろいろあって、単に本が売れればそれでよいとかそういうわけではないみたいだ。どのように本と関わっていくの…

図書館情調

作品のなかに図書館のことが描かれている小説のアンソロジーに編者による解説がつく。こうしていろんな文学作品を並べてみると図書館にはいろんな立場の人たちが関わっていることがよくわかる。図書館で働く側の視点もあれば図書館を利用する側の視点もある…

はなぼん

10年前に「Library of the Year 2011」の大賞を受賞した小布施町立図書館まちとしょテラソの元館長の回想録。自分たちのまちにどういう図書館をつくりたいのかを何度も町民で話し合ってみんなのための図書館のかたちを探っていく過程の話。図書館のかたちと…