毎日の図書館学

初めて図書館学に触れる学部1年生を想定して図書館に関係ありそうな本を毎日1冊ずつ300字程度で紹介します。

反穀物の人類史

「現場での国政術を長らく経験してきた小農たちは、国家が記録と登録と測量の機構だということをつねに理解してきた。だから、政府の測量士が白紙の表を携えてやって来たときや、国政調査官がクリップボードと質問票を持って世帯の登録に来たときには、臣民は、徴兵か強制労働か、土地の接収か人頭税か、それとも耕作地への新たな課税か、とにかくなにかの厄介ごとがそう遠くないのだとわかる。強制力をもった機構の向こうに山ほどの文書があることも暗に理解している」。人間は作物や家畜を飼い馴らしている。けれども作物の収穫サイクルに飼い馴らされたのは人間の方ではないか。人間が定住するようになることの背景を考える。

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