毎日の図書館学

初めて図書館学に触れる学部1年生を想定して図書館に関係ありそうな本を毎日1冊ずつ300字程度で紹介します。

知識欲の誕生

「彼にとって読書は、快楽にはほとんど結びつかない嫌気がさすような機械的作業ではなくなっていた。彼は概ねまともなフランス語で文章を書くことができた。彼の心的世界は、学校で使用したり図書館で借りたりする読み物によって拡大した。フランスの地理や歴史上の偉大な人物の生涯も未知のものではなくなった。受けた教育のおかげで、彼は老女たちが語るおとぎ話や長年にわたってリムーザン地方の農民の想像世界に重くのしかかってきたと思われる迷信を自分の頭から追い払うことができたのだ」。19世紀末のフランスの小さな村で小学校教師が連続講演会を行う。そこではどんな話がされていて、いったい誰がその講演を聴いていたのだろう。村に本を読む習慣が根づいていく。そのときの学校や図書館はどんなものだっただろうか。
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