本の編集ではなく、本棚を編集するというブックディレクターのお仕事。人と本との出会い方を本棚で演出する。本はそれ単体で佇むこともできるけれども、ほとんどの時間を本棚のなかで過ごしている。隣り合った本と本。それぞれの本の魅力がより際立つような本の並び。私たちは本棚に並んだ本に手を伸ばして一冊の本を抜き取る。なぜ私はその本を手に取ったのだろう。私がその本を手にとるように誰かが考えて本を並べていたのだろうか。本は読んでくれる人をずっと待っている。その本の声に耳を傾けていくのは本を読む人だ。手に取ったその一冊の本をどの本棚に差し込んでみようか。
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