毎日の図書館学

初めて図書館学に触れる学部1年生を想定して図書館に関係ありそうな本を毎日1冊ずつ300字程度で紹介します。

切りとれ、あの祈る手を

「いつかこの世界に変革をもたらす人間がやって来るだろう。その人間にも迷いの夜があろう。その夜に、ふと開いた本の一行の微かな助けによって、変革が可能になるかもしれない。その一夜の、その一冊の、その一行で、革命が可能になるかもしれない。ならば、われわれがやっていることは無意味ではないのだ。絶対に無意味ではない。その極小の、しかしゼロには絶対にならない可能性に賭け続けること。それがわれわれ文献学者の誇りであり、戦いである」。その本はどうして書かれたのか。残ったのか。誰がその本を残したのか。あなたはなぜその言葉に出会ったのか。残されたものは言葉だけ。その言葉にあなたが出会える夜がある。

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