私たちの体にはローカル・ルールがある。自分でしかわからない体のつかい方がある。体をどう動かすのか、あるいは体を動かさないのか。右と左のどちらをつかうのか。どういう姿勢なら安心・安定するのか。それらはさまざまな経験のなかで体に刻まれた記憶である。この本では体に障害を持っている方が、その体をどうつかっているのかについてインタビューをしている。視覚障害・四肢切断・麻痺・吃音など、障害を持っている方はそういった体を持つに至るまでに個別の来歴(先天的な障害者か中途障害者)があり、体のつかい方にもそれぞれに特徴がある。本人とともにありながら、本人の意志を超えている体の記憶のプロセスを知る。
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