毎日の図書館学

初めて図書館学に触れる学部1年生を想定して図書館に関係ありそうな本を毎日1冊ずつ300字程度で紹介します。

知識人とは何か

「現在の教育制度では、教育レヴェルが高くなればなるほど、そのぶん教育をうける者は、狭い知の領域に閉じこめられる。専門能力の養成をむだと考えることではない。問題なのは、専門能力が、直接的な関心事の外にあるものをみえなくさせ、一般的な教養を犠牲にして、人を特定の権威なり規範的な考えかただけに迎合させることであり、そうなると専門能力の養成は、それに対して支払われる対価にみあわないということにある」。知識人の独創性やその意思を脅かすような圧力の存在を想定したとき、こういった専門分化の問題が絡んでくる。研究のための理論や方法を身につけたことで、かえって見えなくなってしまうものもある。

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