毎日の図書館学

初めて図書館学に触れる学部1年生を想定して図書館に関係ありそうな本を毎日1冊ずつ300字程度で紹介します。

パンデミック下の書店と教室

「みずからの欲望に気づく、いわば欲望をインプットされるためには、膨大な言葉の中に浸ることが必要なのです。インプットされるのは「情報」だけではありません。人間の感覚は自分が思っている以上に優れ、感情が捕まえる世界は思いもかけず豊饒です。「思う」ためには言語を媒介しなければならず、こと欲望に関してはそのほとんどが言語化されていないからです」。自分の考えを的確に言語化することは困難である。私たちは本を読んで考え続ける。本棚に並ぶ多くの本を眺め、そこから何かを学び取る。欲望を言語化していく。考える場所としての書店の意義を問う。「本とは、人類の失敗の歴史の累々たる堆積にほかならない」。

calil.jp