毎日の図書館学

初めて図書館学に触れる学部1年生を想定して図書館に関係ありそうな本を毎日1冊ずつ300字程度で紹介します。

「民都」大阪対「帝都」東京

「近代国家の形成と協働して敷設されていった鉄道は、中央集権化のメディア(人間の行為や経験の構造を変容させる技術的装置)である」「このようなメディアとして鉄道が意識されたのは、決して日本だけではなかった。鉄道の先進国であったヨーロッパ諸国においても、鉄道による「時間と空間の抹消」の結果、国内の各都市や各地方が、首都に向かって収束するという観念が、十九世紀の学者やジャーナリストたちをとらえていたのである」。鉄道はまちの風景を変える。人々の時間の流れを変える。まちからまちへの距離感が変わる。鉄道の線路が通ることでまちの中心部も変わっていく。人々の暮らしは鉄道によってつくられていく。

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