毎日の図書館学

初めて図書館学に触れる学部1年生を想定して図書館に関係ありそうな本を毎日1冊ずつ300字程度で紹介します。

本と校正

「語られることばと書かれることばとは、いうまでもなく、そのあり方がちがう。と同じように、書かれたことばと印刷されたものとは、やはり、そのあり方がちがう。書くときには書く約束、つまり制約・ルール・条件があるが、印刷には印刷という技術からくる制約・しきたりがある。/緊密な対応関係はあるが、書かれたものが、写真みたいに、そっくりそのまま再現されるのではなく、いわば印刷技術的に翻訳されて、再現されるのである」。校正の目的はその精度を高めることである。漢字かなの開き方や送り仮名の統一をどうするのか。小説の文体にも作家ごとに合理性があり、谷崎潤一郎永井荷風佐藤春夫では校正のしやすさも変わる。

calil.jp