毎日の図書館学

初めて図書館学に触れる学部1年生を想定して図書館に関係ありそうな本を毎日1冊ずつ300字程度で紹介します。

文化史とは何か

「文化の観念は、伝統の観念、すなわち、ある世代からつぎの世代へと継承されてきたある種の知識や技術を含んでいる」。しかし、その伝統の観念には注意しておかねばならないことがある。一つは「目に見える革新がおこなわれると、底流に存在する伝統を覆い隠す」こと、もう一つは「外に向けて現れた伝統の痕跡は、革新を覆い隠すことになるのかもしれない」こと。私たちが暮らすこの世界を文化史の観点から見てみる。どういう切り口がそこに現れるだろうか。「継承されてきたものは新たな世代への転移の過程で変化しているし、それどころか変化しなければならないのだ」。古典は「移民たちを新しい文化のなかで良き市民へ変える一助になる」。

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