毎日の図書館学

初めて図書館学に触れる学部1年生を想定して図書館に関係ありそうな本を毎日1冊ずつ300字程度で紹介します。

コーヒーが廻り世界史が廻る

「従来、ひとが会話する場所として思い浮かべられるものは、舞踏会場、劇場、公園、マチネー、夜会など、要するに上流社会の社交場である。これら古典的な場所に対して、コーヒー・ハウスの会話の特殊性は身分制の枠が取り払われている点にあった。身分の高い人々も、はるかに低い社会階層の人々と親しく話をするのに抵抗を持たなかった。まさに顧客の層が多様であることがコーヒー・ハウスの魅力であり、そのことによってのみ、社会情勢や政治動向、商売の成り行きから文芸に至るまで、変化に富んだ、予想もしない顕末を備えた会話や討議が可能となったのである」。コーヒーが生産される。コーヒーの流通が経済的な価値を持つ。そして私たちがコーヒーを飲む場所はどういった特徴を持つだろうか。

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