毎日の図書館学

初めて図書館学に触れる学部1年生を想定して図書館に関係ありそうな本を毎日1冊ずつ300字程度で紹介します。

語る歴史、聞く歴史

本を読むことの歴史を研究する分野がある。本はどこからどのように読み手のもとにたどりつたのかなど、読書や読者の歴史を考える学問である。その一方で、誰かが語る歴史や誰かの話を聞く歴史というものもある。活字になる前の誰かが語る言葉も本の一種である。読むことや書くことはだけでなく、語ること聞くことの意義も考えてみる。聞き取りによって記録を残していくオーラル・ヒストリーという方法がある。これは語り手を訪れ、話してくれた内容をそのまま書き留める単純な作業なわけではない。聞き手と語り手の関係や、AskとListenの違いなどを意識してみる。沈黙すらも言葉になる語りと聞き取りの現場とは。

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