ブルースだってただの唄
「集団の歴史をひとりひとりその身に負いながら、女たちは自らの生をいかに名づけるのだろうか。それは世界のどこにいても、女たちのこころを離れない問いでもあるだろう。女たちは体験を語るにふさわしいことばを求めつつ、こころをひらく。できあいのことばでは語りえぬことの多いことを知りつつ、こころをひらく。女たちがみずからの体験を言語化しようとするとき、それを可能にしてくれる言語がない」。ことばではうまく語ることができない。そういう言語がない。でもいつの日かその言葉を図書館で見つけてみたい。語りえなかった言葉を図書館では集めていきたい。/文中には刑務所図書館を利用するエピソードも出てきます。