ふつう
「デザインは、人間が犯してきた事の反省の要素も含んでいるという事を、初めて感じた。技術の進化やデザインの革新は、必ずしも常に正しいものではないという気がした。今は、少し立ち止まって、何がよかったのか、何が誤りだったのかを感じ取っている時代だと思う」。ふつうであるということはどういうことなのだろうか。私たちはさまざまな場面で特別なものを追い求めているようで、ふつうのことに安心感も覚えている。安定したものを欲している。私にとってのふつう。みんなにとってのふつう。「ただ後ろに一つに結んだだけの髪型がいいって言っても、なかなかわかってくれないんです。それじゃ何もしてないみたいだって」。