毎日の図書館学

初めて図書館学に触れる学部1年生を想定して図書館に関係ありそうな本を毎日1冊ずつ300字程度で紹介します。

美人論

「知性美」という言葉がある。美しさが知性と絡められた言説がある。「美しさという点だけからも教養が心の養いとして重要であります」「いくら美人でチャーミングでも、頭がよくなければブスにしか見えない」「やはり、賢い女は美しい」「私は、デパートをうろつくひまがあったら、本を読む方があなたの美しさを増す所以だと考えずにいられない」「書物への恋も女を美しくする」。美人になるという言葉で本を売ろうとする宣伝臭が漂う。明治期に見られた美人罪悪論、戦後の美人肯定論、そして「すべての女性は美しい」という言い回しまで、「美人」という概念の変遷を膨大な資料からたどっていく。図書館で収集した膨大な文献の引用は説得力を持つ。

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