毎日の図書館学

初めて図書館学に触れる学部1年生を想定して図書館に関係ありそうな本を毎日1冊ずつ300字程度で紹介します。

専門知と公共性

研究者の知的生産活動の意義を問うてみる。専門誌の編集・投稿・査読活動を行うコミュニティを「ジャーナル共同体」と呼ぶ。その重要性は4つある。(1)科学者の業績は専門誌に印刷され、公刊(publish)されることで評価される。(2)科学者によって生産された知識は、信頼ある専門誌に掲載許諾(accept)されることで正しさが保証される(妥当性保証)。(3)科学者の後継者の育成は、この種の専門誌に掲載許諾される論文を作成する教育をすることに始まる(後進育成・教育)。(4)科学者の次の予算獲得と地位獲得はこうしたジャーナル共同体に掲載許諾された論文の記された業績リストをもとに行われる。科学技術は「科学者や技術者のためにあるのではなく、Public(公共)のためにある」。

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