毎日の図書館学

初めて図書館学に触れる学部1年生を想定して図書館に関係ありそうな本を毎日1冊ずつ300字程度で紹介します。

「モノと女」の戦後史

過去に「主婦の生活に潤いを」「洗濯しながら本が読める」「主婦の読書時間はどうしてつくるか」といった広告のコピーがあった。1948年から1950年頃の洗濯機の広告に登場する。当時の電気洗濯機はあまりにも高価であり、売る側にも買う側にも「なぜ電気洗濯機が必要なのか」の大義名分が必要となったためである。洗濯機は「家事労働を軽減させただけではなく、炊事をしながらの洗濯、洗濯をしながらの掃除」をも可能としたのである。また、公共施設におけるトイレ事情も指摘されている。同じ面積なら男性用よりも女性用トイレのほうが便器の個数が少ない。女性の来訪のほうが多いデパート、保健所、福祉センター、そして図書館も女性用トイレのほうが数が少ない。女性の側からモノの必要性が認識されてこなかったのである。

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