毎日の図書館学

初めて図書館学に触れる学部1年生を想定して図書館に関係ありそうな本を毎日1冊ずつ300字程度で紹介します。

刑務所図書館の人びと

「本を貸すということは、他者とじかに触れあうことでもある。受刑者どうし、ときには受刑者と職員が、相手に読んでほしい本を書き出して交換することもある」。本を介して思いを伝える。誰かの思いを感じ取る。「図書室にやってくる者はみな、何かをさがしていた。そして、彼らのさがしているものはそこに、本棚のあいだにあった。/何百人という受刑者がそこで足を止め、何かをさがした。ときには、何をさがしているのか自分でもよくわからないままに」。自分を見つけるために図書館に足を運ぶ。「秩序は大がかりな計画によってではなく、ささやかな行為をていねいに何度も繰り返し、みがき上げていくことで形成されるのだ」。

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