毎日の図書館学

初めて図書館学に触れる学部1年生を想定して図書館に関係ありそうな本を毎日1冊ずつ300字程度で紹介します。

交易する人間

「有用性がゼロであるものが生活の必需品以上の存在価値をもつようになったものを、象徴的事物(財)と呼ぶ。それはときに神聖さをおびるまでになる。物それ自体にそうなる要素はまったくないのだから、物を象徴的な価値へと上昇させるのは、人々の想像力である。しかしその想像力は、たんなる妄想を生むのではなく、相互行為についての理解を踏まえた神話的言説を駆動し、その言説を事物のなかに封じ込める。物はそのとき記憶装置に変身する」。人が誰かと何かを交換する。交換される物はどういう価値を持つのか。そのやりとりにどういう意味があるのか。「物語(歴史の語り)によって、無用な物が象徴的価値財に変換される」。

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