毎日の図書館学

初めて図書館学に触れる学部1年生を想定して図書館に関係ありそうな本を毎日1冊ずつ300字程度で紹介します。

沈黙の世界

「沈黙は言葉の放棄と同一のものではない。沈黙は決して、言葉が消失したあとに取り残されたような、見すぼらしいものではない。沈黙は或る種の全きもの、自己自身によって存立する或るものなのである。沈黙は言葉とおなじく産出力を有し、言葉とおなじく人間を形成する」。沈黙とは言葉が語られていない状態のことではない。沈黙と言葉がどういう関係にあるのだろうか。「読書或いはひとりの人間との直接の出会いによってわれわれにもたらされる真理は、また直接に他の人間へ到達しようとする。人間は、話者或いは著者がすでに完結した精神的行為を、傾聴のなかで、或いは読書のなかで、もう一度なし遂げるようにと呼びかけられるのである」。

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