毎日の図書館学

初めて図書館学に触れる学部1年生を想定して図書館に関係ありそうな本を毎日1冊ずつ300字程度で紹介します。

印刷という革命

「十六世紀のヨーロッパではまだ、読書のための私的空間という明確な概念が発達していなかった。一日のうち一定の時間を読書に割り当てるという意味でも、本を持ってひきこもるような個人の空間が家の中にあるという意味でも。図書室専用の空間が期待できるのは王侯クラスの邸館のみであったが、その種の図書館はたいていは騒がしい社交の場でもあった。テクストの集中するのと同じくらい、会話や自己顕示のための空間でもあったのだ」。印刷が発達することで宗教改革が進む。書物の読者層・購買層が誕生し、書籍市場が形成される。まちの産業となる。印刷は戦争を伝える。学問・教育の場でつかわれる。楽譜、地図、詩と文芸、医学の本もつくられる。

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