毎日の図書館学

初めて図書館学に触れる学部1年生を想定して図書館に関係ありそうな本を毎日1冊ずつ300字程度で紹介します。

書物愛 蔵書票の世界

自分の所有する本にそれが自分の本だということがわかるような印をつけたい。はんこ形式の蔵書印もあるが、本の見返しに一枚の紙を貼る蔵書票という形態もある。ラテン語でエクス・リブリス(Ex Libris)と呼ばれる。小さな紙にオリジナルの絵柄が施される。凸版・凹版・平板・孔版・染版などさまざまな印刷技法が用いられる。蔵書票作家が手がけるそれは美術品としての価値も持つ。蔵書票は本来特定の個人のために制作されるものだが、蔵書票が貼られた本もいずれは散逸して別の人の手に渡ってしまう。人の寿命よりも本や蔵書票のほうが長生きなのだ。古本屋で前の持ち主の蔵書票が見つかるかもしれない。

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