毎日の図書館学

初めて図書館学に触れる学部1年生を想定して図書館に関係ありそうな本を毎日1冊ずつ300字程度で紹介します。

詩・ことば・人間

「自分が言葉を所有している、と考えるから、われわれは言葉から締め出されてしまうのだ。そうではなくて、人間は言葉に所有されているのだと考えた方が、事態に忠実な、現実的な考え方なのである。人間は、常住言葉に所有されているからこそ、事物を見てただちに何ごとかを感じることができるのだ」。この文章は言葉と人間との関係について書かれたものだけれども、おそらく本と人間との関係にも同じことが言える。本は言葉を内包している。人間が本を所有していると思ってしまうけれど、本は人間よりもはるかに寿命が長い。本はある人の手から別の人の手へと渡り歩いていく。私のそばにある本もいつか誰かの手に渡る。

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