毎日の図書館学

初めて図書館学に触れる学部1年生を想定して図書館に関係ありそうな本を毎日1冊ずつ300字程度で紹介します。

失われた感覚を求めて

「編集やメディアの役割は、よく誤解されがちなのだが、「発信」ではない。くり返すが、あくまでも「媒介」である。自分発信に走ればかえって主体は遠ざかる。自力で全てを動かしてやろう、そういう自意識ほど自然からはるか遠い行為はない。編集者的身体とは、揺れ動く生の日々のなかにあって、なお主体をけっして手放さないでいるための感覚だ。なにもこれは、編集という仕事をする人間だけにかぎらない。人が人であるための必須の感覚でもあると思う」。出版社を営むこと、本を作ることの本質について考える。本を生み出す技術や材料や作り手の身体のことまで考えてみる。私たちが読んでいる本は人の手によって生み出される。calil.jp