毎日の図書館学

初めて図書館学に触れる学部1年生を想定して図書館に関係ありそうな本を毎日1冊ずつ300字程度で紹介します。

書物とともに

「書物とは何か?」を問う。「それは、人間の行為や、知識や、便宜や、必要や、信仰や、思想や、失敗や、成功や、希望や、想像や、悲しみや、歓びや、憧れなどを、さまざまの形式に盛って、何らかの物質的な材料に頼りつつ、表現したものである」「本とは、ある種の意図に役立ち、ある種の効用に奉仕することの可能な、ある種の技術の所産だ」。書物を語ることは楽しい。書物の美しさ、書物の哀しさ。書物の歴史。誤植や活字や装幀の話。書誌学とは何か、出版学とは何かという話。「書物はつねに生産し、自分の種をひとの心に蒔き、後に来る時代に、限りなく行為や意見をふるいおこす」。本を読むことは種を受け取ることなのだ。

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