「人について、ぼくらにできるのは、当面、模索である。非礼、またあえてしなくてはならぬ。何のために?──人間の価値をつくってゆくために、不自由で、しかし自由でもある、その仕事のために」「岩波文化は、東京帝大教授や京都帝大教授の著作を出版するということで、官学アカデミズムによって正当性を賦与された。しかし、逆に、官学アカデミズムは自らの正当性を証明するために民間アカデミズムである岩波文化によりかかった。官学アカデミズムの業績は岩波書店での書籍刊行によって聖典化したからである」。出版社の成り立ちと理念。事業形態の変遷。日本の出版文化の一側面を辿りながら教養との接し方を考える。
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