毎日の図書館学

初めて図書館学に触れる学部1年生を想定して図書館に関係ありそうな本を毎日1冊ずつ300字程度で紹介します。

街並みの美学

「詩人はつねに小さなもののなかに大きなものをよみとろうと身がまえている」「大きな空間には、大きな空間にしか存在しない価値があるが、一方、小さな空間──狭い空間ではない──にもはかりしれない魅力が存在するのである」「都市は、本来、コミュニティーからプライヴァシーにいたる段階的秩序によって成立していると考えられるが、都市が巨大化し雑踏化すればするほど、小さな静かな空間が必要となるであろう」。小さな空間は個人的であり、静寂で、想像的で、詩的で、人間的である。大都市の雑踏は匿名的で、喧騒で、現実的で、非人間的である。壁、広場、街路、建物の外観を美しく彩るための観点を示す。「都市には、もっともっと記憶にのこる空間を創るべきである」。

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